川村教授の研究課題が令和6年度SATREPSに条件付採択されました
川村教授の研究課題「スマートマイニング+による環境破壊を引き起こさない持続可能な環境調和的鉱山開発システムの構築」(The Project for Next-generation Smart Mining Plus for Sustainable Resources Development)が令和6年度 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に条件付*採択されました。
*今後、外務省による相手国政府との実施に係る国際約束の締結、それに続くJICAによる相手国関係機関との実務協議を経た後、研究課題ごとに正式に共同研究が開始されます。しかし、相手国関係機関との実務協議において、研究課題名・研究内容の変更、研究期間の短縮、および相手国情勢などにより合意に至らず、国際共同研究を開始できない可能性があるため、現時点では「条件付き」での採択となります。
研究課題:「スマートマイニング+による環境破壊を引き起こさない持続可能な環境調和的鉱山開発システムの構築」
概要:本研究は、環境破壊を引き起こさない超管理、即時鉱山環境対策を可能とする“スマートマイニング+”のプロトタイプおよび“在り方”をカザフスタンにて構築する。具体的には、(1)フィールド調査・マルチモーダル計測に基づく環境モニタリングの実施、包括的な環境評価手法の構築、(2)計測データを反映したデジタルツインのサイバー空間への実装、環境・操業の見える化、VR/AR技術の開発と導入、データ駆動型研究の核となるAIプラットフォームの構築、環境リスク評価手法の確立と高度化、(3)その知見に基づいた鉱害対策の即時処理の現場への適用、(4)各利害関係者との協働による対象鉱山の有用性と将来性の世界周知、システムの産業化と雇用創出、資金調達スキームを含むシステム普及のための制度案作成に取り組む。さらに、本研究の成果を資源産出国へ広域展開することで、世界鉱業の規範となる環境破壊対策および脱炭素社会実現への貢献を目指す。
SATREPSは、科学技術と外交を連携し、相互に発展させる「科学技術外交」の強化の一環として、文部科学省、外務省の支援の下、JST、日本医療研究開発機構(AMED)および国際協力機構(JICA)が連携して実施するプログラムです。
開発途上国のニーズを基に、地球規模課題を対象とし、社会実装の構想を持つ国際共同研究を政府開発援助(ODA)と連携して推進します。
本プログラムの目的は、地球規模課題の解決および科学技術水準の向上につながる新たな知見や技術を獲得することやこれらを通じたイノベーションの創出です。
また、その国際共同研究を通じて開発途上国の自立的研究開発能力の向上と課題解決に資する持続的活動体制の構築を図ります。
さらに、SATREPSは国連の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)に積極的に対応して国際社会に貢献していきます。
SATREPSでは、環境・エネルギー、生物資源、防災、感染症の4つの研究分野を対象研究としており、川村教授が採択された課題は「環境・エネルギー分野」の研究領域「地球規模の環境課題の解決に資する研究」となります。
本研究はカザフスタン共和国のナザルバエフ大学と共同で実施され、北海道大学大学院工学研究院およびスラブ・ユーラシア研究センターをはじめ、秋田大学大学院国際資源学研究科、筑波大学計算科学研究センター、産業技術総合研究所、日本原子力研究開発機構、JX金属株式会社、エクシオグループ株式会社が研究に参画します。
本年度は暫定期間(R/D及びCRAが締結されて正式に共同研究を開始するまでの期間)となり、正式な国際共同研究は2025年度から2029年度までの5年間となります。
ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
【地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)における令和6年度新規採択研究課題の決定】
【SATREPS】